「エミール・ガレの生きた時代―近代生活のエレガンス」/目黒区美術館vol.1
f0098741_24236.jpg 4/17 目黒区美術館にて本日から開催の「エミール・ガレの生きた時代―近代生活のエレガンス」のブロガー内覧会に出席させて頂いた。

学芸員の簡単な解説とカタログ付き(¥2,100-)である。カタログの表紙も中身もセンスが良い。
今回の内覧会参加者限定で写真撮影を許可されていて、各人ブログ・HPなどで感想、宣伝をしようということである。
f0098741_2182513.jpgアール・ヌーヴォーの巨匠、エミール・ガレ(1846-1904)。
その名前から煌びやかな作品を思い浮かべる人は多いでしょう。 しかし、そのガレ本人が一体どのような工芸品を見て育っていったのか、 これまであまり明かされてきませんでした。 この展覧会では、幼少期のガレを取り囲んでいたネオロココ様式の工芸品を、 彼が作りあげたガラスや陶器、家具と共に展示する初めての試みです。 ガレがいかに歴史的な美意識や異国の感性から影響を受け、 自らのスタイルを築き上げたのか、展示を通して知るまたとない機会となるでしょう。 黒壁美術館(滋賀県長浜市)のコレクションの中から、貴重な作品を選んで出品いたします。(公式サイトより)
今回の展示は仕切や壁を作らずゆったりと空間を使い、全体が見渡せるような形にしてある。
このメインの展示室ではエミールの父の陶器・ガラス器工場と、同時期のライバル工房が制作した製品から、それらに影響を受け制作したガレの初期作品が展示されている。
ガレが父の工場にデザイナーとして入社したのは1867年の21才の時。アール・ヌーヴォーが登場する1890年頃とはまだ20年以上前のこと。つまり彼はアール・ヌーヴォーとは無縁に制作をしていたのだ。
彼はその間、二つの大きなスタイルから影響を受けた。一つは当時のヨーロッパで盛んだった、ロココ・バロックなどそれまでの様々な美術様式をモチーフにしたスタイルからの影響。
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J.&L.ロブマイヤー「蓋付ゴブレット」1880〜90年 / セーブル窯「マリー・アントワネット」19世紀


f0098741_14171664.jpgエミール・ガレ「狩猟文香水瓶」1878年頃

面取りカットしたガラスに狩猟の情景を単色技法で描いたもの。エナメルと金彩による植物文様を施している。



ロブマイヤーなどがバロック様式などの原典をコピーした時点で完成させたのと違い、ガレは様々な装飾様式を組み合わせて制作した。彼の工場はガラス、陶器だけでなく家具も製作していたので、象嵌の技術を家具からガラスに応用した「マルケトリ技法」などの新しい技術(特許を取得)を生み出した。


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エミール・ガレ「グラジオラス文楽譜棚」1900年頃 / 「花文棚」1900年頃

バロック様式を思わせる家具の足。天板のグラジオラスの花の細工も美しい。仕切版は音符の形にくり抜かれている。
「花文棚」の側面にも音符とスズランを模した模様がデザインされている。正面の戸にはキキョウ(カンパヌラ)、蜻蛉、蝶などの象嵌細工が細かい!



f0098741_152392.jpgエミール・ガレ「トランプ文リキュールセット」1878〜89年

ガレと同じナンシー出身の版画家ジャック・カロの「せむし達」1622年から引用したトランプのモチーフをエナメル彩色している。お嬢様に大人気的な作品。
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エミール・ガレ「獅子型燭台(左)」1880年代  /  陶製置物「兎」1880年代
ガレの工場は1900年頃まで陶器の生産も行っていた。ペースト状の粘土を型に流し込み鋳込み形成する製法だった。低温焼成の技術でも磁器のような効果を出すようにファインアンスという技法を編み出した。

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ルイ・マジョレル「タンポポ文食堂セット=食器棚、テーブル、椅子」1900〜05年 など

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            ぼくが会場を見守るよ。vol.2に続く。
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by junbronson | 2010-04-20 02:29 | art
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